1.在来知研究班

羽生 淳子 (はぶ じゅんこ)
総合地球環境学研究所(地球研)客員教授・カリフォルニア大学バークレー校人類学科教授・同大学日本学研究所長。専門は、環境考古学・人類学・歴史生態学。食の多様性と在来知、文化景観の長期的持続性との関係について、他分野の研究者や地域の住民と議論を進め、地域と地球環境問題の解決に役立つ発信をめざす。2014~2017年まで地球研で小規模経済プロジェクトのリーダーを務め、同プロジェクトのメンバーであったミゲール・アルティエリらとともに、2016年京都アグロエコロジー宣言を発信した。リンク

大山 利男(おおやま としお)
立教大学経済学部 経済政策学科・ビジネスデザイン研究科 ビジネスデザイン専攻准教授。専門は、農業経済,農業政策,フードシステム。研究テーマは、持続可能な農業を実現するための、農業経営・技術、加工・流通管理、それを可能とする社会経済制度である。また「農場からテーブルまで」をトータルに管理しようとするフードシステム論は有効なアプローチであり、食品安全の確保にくわえて、付加される情報が新たな価値を生み出しているからである。おもに日本、米国、スイスの有機農業を対象に、農業経営や表示認証制度等について実証的研究をしている。リンク

真貝 理香(しんかい りか)
専門は、動物考古学、生態人類学。学生時代は、遺跡出土の骨類・貝類から当時の食生活、環境を研究。慶應義塾大学大学院修了後、子育て期の17年間は、研究の世界を離れていたが、2014年から研究に復帰した。その後は生態人類学的視点から、岩手県などの山間地域の伝統的生業、在来知、食生活の調査を行う。現在は、総合地球環境学研究所・FEASTプロジェクト研究員として、人間と環境・農業、山・里・都市をつなぐ「ミツバチ」に焦点をあて、持続的な農業・地域づくりに向けての調査を行っている。リンク

福永 真弓(ふくなが まゆみ)
東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授。専門分野は、環境社会学・環境倫理学。研究テーマは、環境正義、自然の社会化、社会の自然化、環境ガバナンス。リンク

2.農生態系班

日鷹 一雅 (ひだか かずまさ)
国立大学法人愛媛大学・農学研究科生物環境学科・准教授・農生態学研究室、南予地域共働センター教員。瀬戸内地域を拠点に西南暖地を主に全国の農生態系や農生物多様性について、その成り立ちや仕組みの 科学を学究しながら、IPM (integrated pest management; 総合的病害虫管理・天敵農法) やIBM (integrated biodiversity management; 総合的生物多様性管理)、有機農業を通した保全活動を地域参加型で進める。世界のアグロエコロジーとの付き合いは農工大大学院生であった1983年以来。 その後、ルーツのヒロシマに大学院博士過程(広島大総合科学部)に帰り生態学で博士号を取得後、岡山大学(JSPS特別研究員)を経て愛媛大でアグロエコロジーの日本初の研究室を創立して現在に至る。農を通しての人類の道筋とあり方について、多様な生物との付き合いを通じて模索してきた。リンク

村本 穣司(むらもと じょうじ)
カリフォルニア大学農業・天然資源部ならびにカリフォルニア大学サンタクルーズ校アグロエコロジー・持続的フードシステムセンターおよび環境学科所属。 有機農業スペシャリスト。 米国カリフォルニア州全体の有機農業に関する研究と普及を担当。土壌学、植物病理学およびアグロエコロジーの観点から、州内沿岸地域における有機栽培イチゴと野菜の肥沃度および土壌病害管理ならびに土壌の健全性に関する研究に従事している。東京農業大学客員教授。英文リンク

本林 隆(もとばやし たかし)
東京農工大学農学部准教授。リンク

飯山 直樹(いいやま なおき)
徳島大学環境防災センター特任准教授。リンク

稲垣 栄洋(いながき ひでひろ)
静岡大学農学部教授。専門は雑草生態学。HP

渡邊 修 (わたなべ おさむ)
信州大学学術研究院准教授。リンク
3.食農環境教育班

ミゲール・アルティエリ (Miguel ALTIERI)
カリフォルニア大学バークレー校環境科学政策管理学科名誉教授(HP)。チリ大学(農学)を卒業後、コロンビア国立大学修士、フロリダ大学博士(昆虫学)。1981年より、バークレー校でアグロエコロジーの研究を進め、多様性、ネットワーク、食料主権の三つの概念を核とした学際的な学問体系を作り上げた。アグロエコロジーを「生態学の理論を用いて、生産性が高く、かつ資源の節約に適した農業システムを研究・設計・維持・評価する学問分野」と定義すると同時に、社会正義と格差是正、さらに国際的な環境保全と食料主権の視点から、アグロエコロジーを世界各地に普及する重要性を強調し、実践的な活動を行う。地球研の小規模経済プロジェクトでは、コア・メンバーとして有機農業とコミュニティ菜園活性化の研究と実践を進めた。KYOTO地球環境の殿堂の第9回殿堂入り者(2018)。現在は、ニコールズとともに、コロンビアでアグロエコロジー研究ラテンアメリカセンター(CELIA)を運営する。英文の詳細なプロフィールはこちらを参照。

澤登 早苗 (さわのぼり さなえ)
恵泉女学園大学人間社会学部教授・教育農場長。リンク

山口 富子 (やまぐち とみこ)
国際基督教大学教養学部社会学メジャー教授。先端バイオテクノロジーと社会の関係について、また社会の仕組みから見る農と食の問題について、信頼、期待、社会受容という観点から研究している。これまで遺伝子組換え作物、ゲノム編集食品などの新興技術の事例研究に取り組んできた。大学では、フードシステム論、質的調査法などを教えている。リンク

クララ・ニコールズ (Clara Nicholls)
カリフォルニア大学バークレー校講師。ラテンアメリカアグロエコロジー学会名誉会長。コロンビア出身の農学者。コロンビア国立大学(農学)卒業後、Colegio de Postgraduados in Chapingo Mexicoで修士、カリフォルニア大学デービス校博士(昆虫学)。専門分野は、生物学的防除と総合的病害虫管理。現在は、アルティエリとともに、コロンビアでアグロエコロジー研究ラテンアメリカセンター(CELIA)を運営する。英文の詳細なプロフィールはこちらを参照。 リンク(Food First)

サンドラ・オセゲラ (Sandra Oseguera)
カリフォルニア大学バークレー校人類学科博士課程在籍中。 メキシコ政府によるUCMexus-CONACYT 博士奨学生 ((UC Institute for Mexico & the US-National Council for Science & Technology Doctoral Fellow)。メキシコ国立自治大学学士(ラテンアメリカ研究)、スタンフォード大学修士。主な研究テーマは、アグロエコロジー、先住民族による環境運動、脱植民地化。博士論文では、考古学と民族誌データの両者を用いて、メキシコ・モレロスにおける先住民族の在来知・農業知の研究を行い、その成果に基づいて持続可能でレジリエントな景観管理と食料主権の確立を目ざす。